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本『佃島ふたり書房』出久根達郎著

  • Posted by: ゴロー
  • 2017-09-30 Sat 21:47:09
スキャン_20170930
懐かしい佃島が舞台。

★面白さが倍増するような・・・・・・

1993年の第108回直木賞受賞作品。
僕はこの本を先日、四谷の小さなギャラリーで購入した。

画廊の隅の階段に積まれていた古本(新刊本もあったかも)。
200冊かそれ以上はあったろうか?

画廊の店主(ビルのオーナー)が言うには、
訪れる友人がみな置いて行った物だそうだ。

飲み代にするので一冊につき100円を寄付してくれれば、
何冊でも持って行っていいと言うのだ。

ちなみに、この本は古本屋から購入したとみえ、
裏表紙の見返しに800円の値札が貼ってあった。

僕はこの本とあと2冊の計3冊を300円で買ったというか譲ってもらった。
他の2冊は『方言の息づかい』川崎洋、
『学校の怪談』常光徹。

まァ、そんないきさつで読んだ『佃島ふたり書房』なのだが、
とても思い出深く(懐かしく面白く)読ませてもらった。

      *

思い出深い理由とは
①佃島は我が家の実家から近かった。
佃の渡しにも何度か乗ったことがあるし。
昭和39年に廃止される前の日に乗り行った記憶は鮮明に覚えている。、

②僕が結婚していちばん最初に住んだのが佃島だった。
従って本籍も現在の埼玉県に移すまでは佃島に置いていた。

住吉神社のお神輿を担いだのもアパート住民とはいえ氏子だったからだ。
(佃島について(記憶など)はいつかまた掲載する機会が来ると思う)。

      *

今回、ネットで直木賞について調べていたところ、
各受賞作品の選考員による選評を見ることが出来ることを知った。

これはとても面白い。2、3あげてみると・・・・・・・・

陳舜臣氏は
「きめのこまかい文章で、前半はみごとで、これはと思わせたが、
幸徳秋水や管野スガといった実在の人物が出てくると、
とみに厚みを失ったかんじがした。
自分ひとりで面白がっていて、
その面白さが読者に伝わってこないうらみがある。」

五木寛之氏
「余裕の受賞という感じで今回の選考会は終った。」
「なによりも文章が練れているというか、こなれた筆である。」
「この作品のなによりの成功は、物語りの舞台に佃島という場所を選んだことだ。
(引用者中略)このあたりには、まだまだ沢山の物語りが埋まっていそうである。」

藤沢周平氏
「作品全体を読み終ってみると、二、三気持にひっかかるものが残る作品でもあった。」
「しかし(引用者中略)第一章の最後にあらわれる文章、
あるいは関東大震災当日の光景など、
この作者が正面から取り組んだ文章には懐の深い、見事な表現力が示されていた。
隅田川がブリキの切片を一面にまきちらしたようにさざなみ立ったなどという文章は容易に書けるものではない。」

他の選考委員は井上ひさし氏、平岩弓枝氏、渡辺淳一、黒岩重吾、山口瞳、田辺聖子。

これからは文学賞受賞作品の読書終了後は必ず見ることにしよう。
面白さが倍増するような・・・・・・。
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